スペシャル対談
世界で活躍する
卒業生×在校生
SPECIAL INTERVIEW

どんな状況でも常にポジティブに。夢を諦めなければ未来は明るい
学校での出会いや経験を大事にしながら
自分の世界を広げていくことが大切
- 小川
- まず初めに、皆さんが今、甲陽で一番充実感を味わっていることを教えてください。
- 岩本
- 僕はドラムなので、学校に練習環境が整っていてたくさん練習できるのはすごく感謝しています。著名なアーティストの方が来校するワークショップも、自分の考え方や演奏スタイルの幅を広げる良い機会になっています。
- 小川
- 専門学校ならではの良いところだよね。甲陽には海外のドラマーもたくさん来ていて、僕が在籍していた頃はデニス・チェンバースやデイヴ・ウェックルなど、すごい人たちを間近で観ることができたのはいい思い出になっています。
- 庄司
- 私も、広いスタジオで練習できるのがとてもありがたいです。あと、いろんな先生方がいらっしゃって、幅広いジャンルのダンスに触れられる。そういう環境って大事だなと思います。
- 小川
- いろんなジャンルを一通り経験して、そこから自分で選べるというのは、知らないまま終わるよりずっと良いからね。僕も甲陽に入る前はロックばかりやっていたんだけど、入学後に幅広いジャンルを掘り下げていったことで今の自分があると思っています。
- 長野
- 校内の大きなライブステージでバンドやダンスのイベントを行っているんですけど、その統括を任されるようになって、いろんな分野のスタッフと協力しながら本番を作り上げていく時間が一番充実しています。
- 小川
- 裏方の世界って、一昔前だったらいきなり現場に放り込まれて、こき使われながら経験を積んでいくイメージがあるけど、学生のときにしっかりした環境でステージの作り方を学べるのは、とてもいいことだと思います。いつか僕のステージも作ってください(笑)。
- 大野
- 僕も甲陽に入る前はロックとかポップスばかりやっていたんですけど、ここではジャズやファンクやラテンなど、自分が知らなかった面白い音楽にたくさん出会うことができたのが一番大きいです。ものすごく感謝しています。
- 小川
- 本当にそうだよね。甲陽はミュージシャンだけじゃなくてスタッフ系のコースやダンスのコースも充実しているので、同じ学校で勉強したそういう人たちと、将来どこかで出会って仕事をする機会があるかもしれない。それはとても素敵なことだと思うし、だからこそ今の出会いは大切にしてほしいですね。
自分が尊敬する存在を手本にすると
行き詰まったときでも良い判断ができる
- 小川
- 皆さんの悩み事も聞かせてください。
- 岩本
- さっき練習環境が充実していると言いましたが、それでもまだまだ足りないと感じることがあります。僕は今マンション暮らしなので、どうやって練習をしたらいいのか悩んでいます。
- 小川
- ドラマーにとって尽きない悩みだよね。僕が学生時代に住んでいた部屋では電子ドラムで練習していたけど、隣や上下階の人に「うるさかったら遠慮なく言ってくださいね」と一言伝えておくのは、結構効果的だと思います。あとは、当時バイトしていたジャズクラブの開店前に練習させてもらったり……そうやって叩ける場所を自分で探すこともすごく大事。練習の話からは少し離れるけど、僕は当時の同期の中で一番学外でライブをやっていたと思います。バンドも組んでいたし、ジャムセッションにも行っていました。そうすると、外で活動している人たちとも繋がることができて、卒業後に進む道を見つけやすくなる。学校での出会いを大事にしながらも、なるべく自分の世界を広げておくのがいいんじゃないかな。
- 庄司
- やっぱり卒業後のことを考えると不安になります。今は授業やイベントなど、学校でやることがたくさんありますけど、卒業してそれがなくなったときにどうなるのか。
- 小川
- これもさっきの話に繋がるけど、学校はいろんなことを与えてくれて、それを自分で消化しながら成長していく場所。でも受け身のままだと、卒業してから何も入ってこなくなる。僕はそうなりたくなかったから、在学中からいろんなチャレンジをして、コネクションを作っていきました。学校の実習でいろんな現場に行く機会もあると思うけど、そういう場所で自分をアピールしておくと、意外と覚えてくれている人がいて、卒業後に声をかけてくれたりもするから。そうやってジャブを入れておくといいかもしれません。
- 長野
- 実家が県外で、今は一人暮らしをしているんですけど、卒業後は東京で仕事をしたいと思っています。でも両親が反対していて……。
- 小川
- 僕も子供がいるから、娘を心配する親御さんの気持ちはよくわかります。でも、甲陽に来させてもらっている時点で応援はしてくれていると思うんですよね。だから、まずは自分がやりたいことを根気強く伝えて説得するしかないかな。もちろん親としては心配だけど、子供が本当に情熱を持っていることだったら応援したくなるし、最後は「行っておいで」と言ってくれる気がします。
- 大野
- 僕はバークリーを目指しているんですけど、小川さんもアメリカでいろんな壁にぶつかった経験があると思います。そういうときにどうやって乗り越えてきたのでしょうか。
- 小川
- 僕は基本的に、どんな状況でも常にポジティブに考えるようにしています。行き詰まったときも、それを乗り越えたらまた違う景色が見えてくる。そういうことをワクワクしながら考えるんです。あとは、自分がすごく尊敬できる、お手本になる存在を見つけることも大切。そういう人のことを英語ではmentor(メンター)と言いますが、身近な恩師でもいいし、憧れている人でもいいので、「こんなとき、この人だったらどうするかな」と考えるようにすると良い判断ができると思うし、道を見失わずに長く走っていけるんじゃないかな。
- 全員
- ありがとうございました。
- 小川
- 今日話していて、自分が皆さんと同じくらいの年齢のときに感じていたことを思い出しました。そこから20年くらいの年月は、もちろん不安もたくさんあったし、何がしたいかわからない時期もありました。でも「こうありたい」という気持ちと共にがむしゃらに進んできたら、あっという間に過ぎていった気がします。今は幸せなことに、自分のやりたい音楽を好きな人たちと一緒に演奏できていますが、これで終わりじゃないし、これからもいろいろなことを経験することになると思います。皆さんも常にポジティブな気持ちで、夢を諦めずに実現させていってください。未来は明るいですから。Yeah!(笑)
卒業生/名誉教育顧問 [パーカッション・ドラム奏者]
小川 慶太先生
PROFILE
1982年生まれ。長崎県佐世保出身。koyoを卒業後、2年間東京で活動した後、2005年にバークリー音楽大学へ入学するため渡米。卒業後、ヨーヨー・マ、アサッドブラザーズ、クラリスアサッドなど、世界のトップアーティストたちと共演する。J-SquadやSnarky Puppyといったグループで活動するほか、MISIA、東方神起らの作品に参加。Snarky Puppyとして、米音楽業界の最高の栄誉とされる「グラミー賞」を2017年(第59回)、2021年(第63回)、2023年(第65回)受賞。滋慶学園COMグループ名誉教育顧問を務める。現在はニューヨークを拠点に世界中で活躍中。


